ギ~ゴトン、ギ~ゴトンという音がする方へ向かうと唐臼が現れました。小鹿田焼は山の土をこの唐臼で2週間ほどかけてつき水分を除いてから1ヶ月以上もかけて作られる粘土で作られています。唐臼を動かすのは谷川の水。ししおどしの要領で土をついています。唐臼が動く度にザザザーと勢いよく流れ落ちる水の音も心地よく、しばらくボーっと見つめていたくなるほど。
その唐臼が奏でる音が日本の音風景100選の1つに選ばれてるそうです。納得。
たくさん連なった窯が豊富な自然の中に現れます。薪を使う登り窯です。辺りはお花や新緑が溢れていて唐臼のほかは小鳥のさえずりや小川のせせらぎしか音がしません。のんびり歩くおばあちゃんの姿や工房で黙々と作業をしている職人さんの姿も静かでとても気持ちよかったです。
空と山を近くに感じる道。中央に主人が密かにいます。
焼かれるのを待っている器たち。
10軒ほどある窯元さんの作品が綺麗に並べられた売り場が程よい距離感で点在しています。その中の1軒にお邪魔中、視線を感じ振り返ると鹿。にっこり微笑んでいるのが可愛くてパチリ。
どの窯元さんにお願いしようかと迷いに迷ってやっと決めた窯元さんのお皿。艶といい、飛び鉋(かんな)の模様といい、好みにピタリ。300年ほど前に開窯して以来、一子相続で守り続けられてきた陶芸技法が重要無形文化財に指定されています。柳宗理さんの父、柳宗悦さんも昭和のはじめに絶賛されたそうです。
飛び鉋、打ち刷毛目、打ち掛け、流し掛け、櫛(くし)描き、指描きという様々な手法の中でも私たちはシンプルな飛び鉋が好き。今回は飛び鉋のお皿を小皿から大皿まで6サイズ注文してきましたよ。入荷は8月頃。まだまだ先の話ですがどうぞお楽しみに。
ラインが綺麗な徳利とお猪口。
壷もあります。これ手始めに自宅用に購入しました。まだ飾って眺めてうっとり中です。お皿以外で販売する形はゆっくり考えて揃えて行こうと思います。気長にお待ちいただけたら嬉しいです。
最後に窯元である皿山地区のバス停。バス、ほとんど来ません。レンタカーにしてよかった。電車&バスを選んでたら珍道中だったねと胸を撫で下ろし、またあの細い山道を引き返すと野生の鹿に出会いました。ラッキー。小さく心の中でガッツポーズをしたのでした。
ではでは今日はこの辺で。明日、番外編を書きますね。
by NORTHWEST-SELECT
| 2010-05-21 15:56
| 買いつけ・展示会